我欲5我欲7

2015年08月23日

我欲6

我欲5のつづき。

中学の同級生に、親からひどい虐待を受けていた女子がいた。
その当時は、虐待という言葉は一般的ではなかった、つまりは、今思えばそういうことだったのか…と。

彼女とは中学3年間同じクラスだったが、いつの頃からか頭は白髪で真っ白、痩せてガリガリ、腕や足などには青たんがいつも数多くあった。
子供だった私は、それが何を意味しているのか、まったく理解出来なかった。

だが、当の本人は学校でも明るく振る舞っていたし、皆から心ないあだ名をつけられても、それに臆することもなかった。彼女のそういう姿を、私は異常と思いつつも、強くいる姿勢を見て、深く心配していなかった。

何度か母親が学校に呼び出されていたが、その容姿は淡麗で、お金持ちの奥様然としていたから、こんなおばあちゃんみたいな彼女が、この母親の子供とは信じがたかった。

だが、きっと彼女は毎日にように親から虐待を受けていたのだろう。今の時代ならば、もっと早く保護してもらえたのかもしれない、そう思うと、もうあれから数十年経っているが、彼女のことを思い返してしまう。

今、彼女が生きているのかさえも不明だが、親の我欲が彼女を苦しめたことは間違いない。
己の欲望が満たされないことを子供にぶつけるなんて…。
今思い返しても、心が痛むばかりだ

enji_152 at 20:37│Comments(0)今世 | 我欲

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