2019年04月06日
エピソード7:新たな世界へ8
エピソード7:新たな世界へ7のつづき。
過去の悪夢を真逆の言葉に転換することで、自分との闘いに負けることなく、母の機嫌も良くなるという、ウインウインの状況に変わることを身を以て体験した。
そうは言いつつも、それも長くは続かない。
というのも、私が褒めれば褒めるほど、母の猜疑心が膨らんでいったからだ。
「子供の頃は心ないことばかり言われたけど、私は言わないし、叩いたりしないよ」という私の言動が、母の中にある罪悪心を呼び覚ましているのか?その言動に傷付いたのか?徐々に私からの褒め言葉を訝しがるようになっていった。
私から褒められれば褒められるほど、イライラが募る、と言うのだ。
それは、自分が発した言葉や態度が、真逆となって返ってくるのだから、それらが心に尽き刺さるのかもしれない。それでも私は負けじと、褒め続けた。
ケアマネさんとの面談や、歩行訓練施設のスタッフの方々に褒めちぎられた時の母の反応は、意外にも?良いものだった。その言葉を疑ったり、すねたりすることなく、素直に受け止めていたのだ。
子供である私の言葉には複雑な感情が生まれるようだが、他人様の言葉には心が開くようだ。
こうやって、外界の刺激を受けることが、何より大切なのだ、ということを学んだ。